赤道儀

EM−11 TEMMA2Jr (高橋製作所)

導入レポート

EM11の導入を記録に。

小型自動導入赤道儀導入に際し、EM−11、SX、スカイエクスプローラと候補はありました。
精度、資産継承、いろいろと考えた末、EM−11 TEMMA2Jrを導入しました。
既に所有のEM200の付帯機材等が使えるのは、価格は他に比べ高価でありますが、
総合的な出費は少ないと言う事情もありました。また、精度、信頼性において三者の内
一番です。高橋製作所の架台を新規購入の方には、出費が大きいすぎるかもしれません。
メーカー:高橋製作所  

梱包は、2つ。赤道儀架台と三脚に分かれて
納入されました。埼玉県の寄居工場からの
クロネコ便による直送でした。
 

赤道儀 EM−11が入っております。
それほど大きくはないですが、
非常に重い梱包です。
 

開封すると、上段には、三脚架台、バランスウエイト軸、架台固定ネジ
工具(六角レンチ、ドライバー)が入っております。
バランスウエイト軸は、一般の赤道儀に比べやや長めの370mmです。
また、内蔵式ではありませんが、極望がいつでも使用できて
構造は便利です。
シャフト径は、18mmです。
工具の六角レンチは組み立てに際し使用する事が
ありません。赤道儀のメカ調整で使用するものと思います。
ドライバーは、極望の照明のボリューム調整で使用します。





下段には、EM−11赤道儀本体、バランスウエイト(3.5Kg)、
コントロールボックス、ワニグチクリップが入っています。
本体架台は、7.3Kgと軽いにもかかわらず、同架重量は
8.5Kgとパワフルです。



コントロールボックスと接続ケーブル、
バッテリー接続用ワニグチクリップケーブルです。
コントロールボックスは、EM−200の物と共通です。
予備として、今回の物はしまってしまいました。
コントロールボックスのケーブル被服の素材が、
EM−200の物より堅くフレキシブルさ
が減っています。



箱から出して、ビニール袋から出しました。こんな姿で
入っておりました。

2軸モーター内蔵、ドイツ赤道儀。
赤経・赤偉微動は、ウオームホイル全周微動。
(両軸ともに減速比144:1)

極軸望遠鏡は、6倍です。


極軸合わせが容易との売り文句の三脚架台です。
なるほど・・こんなになっているんだ。
水平360度の回転粗動が可能な三脚架台です。

本品、部品供給もメーカーからされておりますが、
¥29400と非常に高額な商品です。



三脚の箱を開封しました。金属部には、エアキャップが巻かれて
丁寧に梱包されております。ビクセンの脚の梱包とは、大違いです。
この脚は、FC−L脚です。反射用には少し長いです。
反射で使用の場合は、FC−Mの選定をお勧めします。
私は、屈折での使用のためちょうど良い長さですが、
自動車での運搬では三脚をたたむ必要があります。



三脚の止めネジのネジ部には、グリスが付けられ、
1つずつセロテープで巻いてあります。丁寧な梱包です。
三角板にアイピースを置く穴がありません。
EM−1の三角板には、24.5mmアイピースを
差し込む穴があったのですが・・。
現状、31.7mm径アイピースにて24.5mmアイピース穴は、
使用する事がありません。
まあ、現状アイピース穴は不要でしょう。




三脚が組み上がりました。しっかりしております。
脚の高さ調整は、木脚にもかかわらず、アルミ脚と同等に
スムーズです。また、木のため軽く持ち運びに重宝です。



架台を載せて組み上がりました。
この状態で軽々移動が可能です。
EM10にベアリングを12個追加の仕様です。
動きは、非常にスムーズです。




取説、品質保証書、納品書です。
3年間が保証期間となっております。



北極星時角早見表の製作のページです。左ページに置いた物は、
EM−1の物です。同じ方法の極軸合わせにて、そのまま使えます。


TEMMA2Jr本体部です。
モータ駆動方式は、水晶発振制御、回転誤差±0.005%。
駆動周波数 約100pps
高速駆動 DC24V時:赤経 250倍速、赤偉 ±3750秒角/sec
高速駆動 DC12V時:赤経 120倍速、赤偉 ±1800秒角/sec
250倍速あれば、自動導入にストレスは感じません。
何か別の準備をしている間に導入が完了しております。
消費電流は、0.3〜1.2A。

THCハンドコントローラは、EM200と共通で使用できます。
何の設定もいりません。




FS102鏡筒を載せてみました。
釣り合いも良く、なかなかスマートです。

(2005.11.19 記)






北極星時角早見表を製作しました。
EM−1 の物より一回り大きく使いやすいです。

取説に掲載されていますが、スターベースのHPにて
配布されていります。



EM−11にてAGA−1動作確認を行いました。
セッテングは、EM−200と同様、簡単にあっさり出来ました。
ガイドの方は、デフォルトの微動設定ですとガイド星が中心線の周りを
ふらふらと動きます。微動設定を一番細かく設定してみましたところ、
ガイド星はEM−200と同様、中心にぴたっと停止しておりました。
設定が異なりますが、相性はEM−200と同様、非常に良い様です。

THCの自動導入確認も行いましたところ、
EM−200と違いはこれと言って分かるレベルではありません。
なかなか良い精度で導入が出来ました。



ED114SS鏡筒を載せてみました。重量は、6Kgにて
同架重量には、まだ余裕が充分あります。



自動導入ソフトは、PCとケーブルが
あれば何の苦も無く接続でき使用できます。






THC(自動導入ハンドコントローラ)、
12V→100V変換インバータ、
100V→24V安定化電源(青い袋の中身)、
北極星時角早見盤(EM−1用)、
これらの資産すべてが共通に使えます。

FC−M脚もあるのですが、三脚架台がEM−1
の物と互換性が無く使用不可です。
EM−10用の三脚架台は、¥9975の様です。
こちらを購入すれば、FC−M脚も復活です。
EM−200用のメタル三脚は、共通に使用出来ます。
(2005.11.20 記)




赤道儀ユニット一式をメーカへ返品

なんと、着払いにてメーカへ返納となりました。
回転架台がクランプしても固定出来ず、極軸設定が使用中に
狂ってしまう不具合です。
クランプしてバランスウエイトの軸を軽く
押すだけで回転架台の回転部が根こそぎ
5mm程度回転してしまいます。
回転架台のみの返納かと思ったのですが、調査にて赤道儀
すべて返納となりました。
調査に時間を要す様なら、赤道儀丸ごとすべての新品交換だそうです。
詳しい状況を現在当方の掲示板に掲載中
今回の製品の状況は許せませんが、高橋製作所さん
の不具合調査にてすべてを返納の姿勢は、
非常に評価出来るものです。
(2005.12.11 記)



11月15日に自宅へ到着。12月11日にメーカへ返却発送。
稼働した日を数えてみたら、実質9日でメーカ返却。
このうち、自動導入、オートガイド動作確認に2日。
回転架台の調査に3日。変だ変だと思いつつ実質使用したのが4日です。
高額な赤道儀、しっかり改善されて早く戻ってきて欲しいものです。
写真は、返却品の内容です。
(2005.12.12 記)




回転架台の基本性能、操作性等
回転架台のクランプ力は、鏡筒にかかるモーメントから考えると
非常に弱すぎると思います。
クランプは、M8のネジを手締め(プラスチックつまみ)にて
締めるだけです。
それも、40mm程度の円柱を横から締めると言う内容です。
上部に載る鏡筒等を動かすときにかかるモーメントを考えると
非常にクランプ力不足に思えます。
また、操作性も悪く、極軸を合わせた後、プラスチックつまみの
緩みに気がつきしめた場合、回転架台のテーブルがネジを締める事
により回転してしまいます。再度、極軸を合わせ直しとなります。
EM10用の三脚架台、メタル脚等を使用する事を勧めます。
改善されての再納品に期待するしかありません。
(2005.12.13 記)



回転架台は信頼性が悪そうなので、
EM10用の三脚架台を手配購入しました。
早々、EM10用三脚架台は納入されたのですが、
肝心の赤道儀一式が戻ってきません。

購入して実質、動作確認・調査を含めて9日
の稼働しかしておりません。
新品購入の不良内容・・・早く対応をして欲しいものです。
(2005.12.20 記)




異常なしで戻ってきました。

EM−11が帰ってきておりました。修理票の修理内容は、異常なし。
念のため回転架台を交換。と記載されております。
早速、三脚を組み立て、赤道儀を付けてバランスウエイト軸を
軽く押してみました。なんと・・若干良いようですが、
簡単に回転架台は回転してしまいます。
仕様不足と言うところです。
あきらめて、購入したEM−10用の三脚架台に交換しました。
EM−11を直焦点自動追尾撮影目的で購入の方は、
EM10用三脚架台の手配として、
プラス1万円位を準備しておく必要があります。

まあ良いか・・。赤道儀自体の精度は良いみたいだし・・
問題は三脚架台を代えれば済む事だし・・。
趣味の世界・・・。体制に特に影響なし。
(2005.12.22 記)



バランスウエイト軸を押すと

回転架台の場合、すべてをクランプしてバランスウエイト軸を
押すと回転架台の回転部はクランプしていても回転します。
EM10用の三脚架台の場合、すべてをクランプして
バランスウエイト軸を押すと三脚が宙に浮きます。
赤道儀自体のクランプ力は、すばらしいクランプ固定力です。
回転架台は、精度が必要な自動導入、自動追尾撮影において
使い物にならないのが実感できます。
なんでこんなものを標準添付品として
高額な赤道儀を売るのか疑問です。

天下の高橋製作所さんが・・どうした事でしょう。
(2005.12.24 記)




実写確認。紙一重

実写確認を行いました。20:30頃より観望開始。
この写真は、23:30頃の撮影です。
メーカさんの念のため交換品の品は、以前のものより
クランプが強いものでした。
しかし、先に記載様、バランスウエイトの軸を押すと
回転架台の回転部が動いてしまいます。
セッテング直後の一枚目画像は、鏡筒を星に向ける時、
回転架台が動いてしまって流れていました。
極望を覗くと北極星がずれていました。

気を取り直し、再度クランプの締め付けを確認しながら
再度セッテング。その後は良く、2時間半程経っても北極星は
極望のあるべき位置にあり、精度の良い追尾をしました。

以前の物とのクランプ力の違い、セッテング時締め付け具合の違い・・。
微妙な違いです。でこんなに違うとは・・。
使用の可否は、紙一重の様です。
たびたび極望を覗き、確認しながらの使用は気がめいります。

貼り付けた写真は、ED114SS
 直焦点(f=600mm)露出:5分です。
現状では、安心、信頼してに回転架台は
使えるものではないと言う感想です。
バランスウエイトの軸を押すと回転架台の回転部がクランプされている
にもかかわらず動くのは精神上、良くありません。

現状のところ、腫れ物に触るような気持ちで赤道儀の操作です。
うっかりバランスウエイト等に押す力がかかる等、回転架台が
動いてしまう力がかかったら、極軸はあわせ直しです。
使用する限り、紙一重の操作が必要です。
(2005.12.25 記)



EM10用三脚架台にて
初めてEM10用の三脚架台を使用です。
EM10用三脚架台を使用した方が、極軸あわせが楽ではるかに
早くセットできます。回転架台なんか使用するのが馬鹿らしくなります。
時間的に1/3程度でセッテング終了です。
その後も鏡筒を動かすのに気を使う必要などありません。

EM−11本体自体の精度は非常に優秀です。
写真は、5分20秒のノータッチガイド(鏡筒:ED114SS)
によるものです。
(2005.12.26 記)



EM-11 & NVC200L
EM-11 & NVC200L EM10用三脚架台使用です。
NVC200Lを搭載しても赤道儀本体の
追尾精度の方は、優秀です。
(2005.12.27 記)


EM-11 & FS102
EM-11 & FS102 EM10用三脚架台使用です。
回転架台は、ディープスカイ観望・撮影では
使い物になりません。
また、セッテングもやりずらく面倒です。
高額なものにて、なんとか自分で改造
して使用できるものにしたく考えております。

部品購入した場合高額な回転架台です。
なんとかならないものでしょうか。
(定価¥29400)
メーカ修理票にて、メーカ見解は異常なし。
赤道儀と一緒に保証書付きです。
新品にもかかわらず使用不可能商品です。

とりあえずガラクタ箱入りです。

(2005.12.28 記)




気を取り直して、EM10用三脚架台を使用して撮影しました。
赤道儀本体の精度は、本当に優秀です。回転架台で性能を
悪化させてしまっているのは、残念です。
メーカ見解異常なしとは・・・。
(2005.12.29 記)



回転架台をEM10用三脚架台に交換して・・・。
M42 2005.12.29 AM1:25
 露出:185秒 鏡筒:FS102 カメラ:D50(NR ON)
ノータッチガイド、画像処理なし。



M51 2005.12.29 AM2:11
 露出:200秒 鏡筒:FS102 カメラ:D50
ノータッチガイド、トリミング拡大(熱ノイズ部カット)。




M81&M82 2005.12.29 AM1:04
 露出:165秒 鏡筒:FS102 カメラ:D50(NR ON)
ノータッチガイド、画像処理なし。



  2005.12.27 EM10用三脚架台 & EM11の信頼性確認。
  2005.12.29 観望・撮影の風景と成果。
  2005.12.30 観望・撮影の風景と成果。