望遠鏡による天体写真撮影準備


一眼レフデジタルカメラを天体望遠鏡に接続する方法と写し方を
本ページに初心者でも簡単に分かるようにまとめます。
星を撮影する事ができ兼価タイプの一眼レフカメラの選定、
写真アダプター(NST 43mm)の組立て方法を題材に致します。
予算は、全部で6万円〜8万円を目標に設定しました。



カメラの選定

天体写真専用特性を持つのカメラ、天体用改造済みのカメラもありますが非常に高額です。
費用をかけずに撮影でき天体撮影のみではなくスナップ
冠婚葬祭時にも使えるカメラで選定します。よって、標準ズーム、Wズーム付きで選定しました。
選定は、2015年3月時点となります。よって、価格(売価)表示は、3月時点となります。

天体撮影は、スロー露出、長時間露出となりますのでレリーズ(リモートコントローラー)が必要となります。
適用リモートコントローラの型式の掲載を致します。
模造品の激安なものもありますが純正品型式を記載します。
アマゾンの評価ですが、カメラ評価 ☆5が100点で評価値を記載しました。
選定決定の参考にしてください。


メーカー 型            式 価格(売価) レリーズ型式 評価☆
ニコン D5300 18-55mm VR II レンズキット グレー
D5300LK18-55VR2GY
¥60882 ・リモートコード:MC-DC2
・ワイヤレスリモートコントローラー:WR-1、WR-R10
4.7
D5200 レンズキット AF-S DX NIKKOR 18-55mm VR付属 ブラック D5200LKBK ¥51500 ・リモートコード:MC-DC2
・ワイヤレスリモートコントローラー:WR-R10
4.5
D3300 18-55 VR IIレンズキットブラック
D3300LKBK
¥45490 ・リモートコード:MC-DC2
・ワイヤレスリモートコントローラー:WR-1、WR-R10
4.8
D3200 200mmダブルズームキット 18-55mm/55-200mm付属 ブラック
D3200WZ200BK
¥52500 ・リモートコード:MC-DC2 4.6
キヤノン EOS Kiss X7 レンズキット EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM付属
KISSX7-1855ISSTMLK
¥46330 ・リモートスイッチRS-60E3
・リモートコントローラーRC-6
4.6
EOS Kiss X7 ダブルズームキット EF-S18-55mm/EF-S55-250mm付属
KISSX7-WKIT
¥53695 ・リモートスイッチRS-60E3
・リモートコントローラーRC-6
4.6
EOS Kiss X70 レンズキット EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II付属
KISSX70-1855IS2LK
¥51631 ・リモートスイッチRS-60E3 4.3


NSTアダプター 43DX  

NSTアダプター 43mm(ビクセン)を使用しての接続方法について説明します。
取扱い説明書に記載がありますが、拡大撮影と直焦点での切り替え時に
時に頭を悩ます事があります。直焦点撮影では、Tイングの分解が必要です。
精密ドライバー(マイナス)が必要です。

天体写真の撮影には、拡大撮影と直焦点撮影があります。
拡大撮影は、接眼レンズを使い大きく写す方法で主に、月のクレーターを大きく写す、
惑星の表面、衛星を写す時に行います。

直焦点撮影は、望遠鏡の鏡筒を望遠レンズと同じように使う方法です。
主に、月の全体を視野に入れて撮影(月食等)したり、大きな星雲・星団を撮影するの行います。

ビクセン NSTアダプター 43DX  価格 ¥7690(アマゾン価格)

1)  NSTアダプター 43mm梱包部品
右写真左から
直焦リング A
フィルターリング B
中間リング C
接眼リング E
カメラ接続リング D
各社カメラ対応 Tリング
NSTアダプター 43DX に梱包の部品です。
写真は、43mmNSTアダプターです。
現行品には、接眼リングEは、付属されていません、
旧製品に 24.5mm接眼レンズ取り付け用に
付属していました。
各リングの現物写真です。一番右は、Tリング(ニコン用)です。

注) Tリングは別売です。
ビクセンカタログ 60頁参照

2) 拡大撮影の組み方
使う部品は、接眼リング Eを除き上写真の
すべての部品の5種類(Tリング含む)と
なります。
組上がりカメラに接続状態です。 部品と使う順番の説明です。


直焦リングA と フィルターリングB を接続します。 中間リングCをネジ込みます。


接眼レンズを挿入し、中間リングの止めネジで
接眼レンズを固定します。(31.7接眼レンズ)
カメラ接続リングD を挿入します。


カメラ接続リングD の外周の3本のネジで固定接続します。 Tリングをカメラ接続リングD にねじ込みます。


Tリング部をカメラに取り付けます。 完成組み上げ状態です。


3) 直焦点撮影の組み方
使う部品は、
直焦リング A
フィルターリング B
各社カメラ対応 Tリング
49mm径 のMCプロテクター
です。
組上がりカメラに接続状態です。
50.8 → 43 AD を追加接続。(別売)
部品と使う部品の説明です。



使う部品です。組立て順に並べてあります。
Tリングは、2つに分離し、49mmフィルターを
追加した写真です。
組み上げ状態です。左の部品を望遠鏡に取り付けて
おいて、カメラを接続します。


フィルターリングBにフィルターを取り付けます。
フィルターサイズは、49mmです。私は、CCDのゴミ除けを
目的にMCプロテクターを付けています。
Tリング(ニコン用)を取り付けます。
右下にネジがありますが、これもニコン用のTリングです。
注文時期によりこのネジが1本付いている物とセット
スクリュー3本の物があります。


Tリングを2分割します。左のリングの上のネジと残る2本
のセットスクリューを精密ドライバーで緩めると分割できます。
for NIKON と書いてあるリングは、不要です。


取説だと、for NIKON のリングにフィルターリングBが
ねじ込める説明です。
何故か私の品は、ねじ込めないので左の説明の様に行い
使用しています。
私のホームページをビクセン直焦点と言うキーワードで訪
れている方がおります。これで解決されたかと思います。
旧型だからかも知れません?


4) 望遠鏡へ接続(例 直焦点)
50.8 → 43 AD に接続します。
左リングが50.8 → 43 AD
カメラに接続します。直焦リングAとフィルターリングBを
接合します。
ビクセンカタログ 72頁参照


これで接続完了です。


望遠鏡に接続します。 回転の調整は、直焦リングAの3本のネジを緩め行います。


5) 拡大撮影(フリップミラーを取り付けた場合)
フリップミラーに接眼レンズを取り付けます。 フリップミラーとカメラ接続リングDを接続します。


6) 他、直焦点の方法
NSTアダプターより安価に直焦点接続ができないかと考え
手配した品です。直焦点撮影は、通常通り可能です。
詳しくは、ここを参照ください。
繰り出しが短い場合




フォーサーズで使用しています。
オリンパス E−520撮影時


ニコン、キャノンで使用しています。
NSTアダプターより安価に直焦点接続ができないかと考え
手配した品です。直焦点撮影は、通常通り可能です。
詳しくは、ここを参照ください。
繰り出しが長い場合



ビクセンカタログ 72頁参照


7) フィールドスコープで撮影
こんな事も可能です。
カメラに取り付けができます。
アダプターは、NST 43mmです。
もちろん、合焦し撮影は可能です。
8) その他部品
TリングC
接続リングDにこれを付けるとCマウント
のビデオカメラ等に接続できます。


Cマウントアバプター ニコン用
ニコンのカメラ用のレンズに取り付けます。ビデオカメラ等
にニコンのレンズが取り付け可能となります。




露出時間
合成焦点距離 F 合成F値
直焦点撮影法 F =f(焦点距離)
F= f÷D
焦点距離 f、口径 D
拡大撮影法 F = L×M
接眼レンズ後面からフィルム面の距離 L 
望遠鏡の倍率 M
F = L×M÷D
合成F値の計算方法(あまり気にせずこんなもんだでOKです。)

合成F値 直焦点撮影法 拡大撮影法
10 15 22 32 45 64 90
三日月 1/32 1/15 1/8 1/4 1/2
半月 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4
満月 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
金星 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125
火星 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
木星 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2
土星 1/8 1/4 1/2
F値
星座 15秒〜5分 1分〜20分
天の川 10分〜15分 30分〜60分
星雲等 10分〜20分 20分〜60分
露出は、だいたいISO400でこんなものですから
デジタルカメラで写す場合1600程度に平気でしますので上表の1/4倍
が基本です。しかし、天候、空の明るさ、高度でまったく写りは変わります。
撮影前に試し撮りをして感をつかんで撮影が良いかと思います。
デジカメにてその場でプレビューで確認しフィードバックして撮影を続けてください。
星雲・星団の撮影は、空の明るさで露出をかけられる時間がまったく違います。
計算など不可能ですので試し撮りで感をつかんで写すしかありません。

月食撮影露出時間 (ISO400)
食分/f値 5.6 11 16
満月 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250
欠け始め 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250
食分20% 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125
食分40% 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60
食分60% 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30
食分80% 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
皆既前後 1/2
皆既中 15 30 60 120 250
直焦点撮影、望遠レンズ撮影の場合に左表を参考にして
ください。だいたい下記の値です。目安にしてください。

f5:A80SS鏡筒 SE102鏡筒 SE120鏡筒 ED114SS鏡筒 SE150N鏡筒
f6:ED102SS鏡筒  VC200L鏡筒(レジューサー装着:f6.4) ミニロク鏡筒
f8:FS102鏡筒 
f9:VC200L鏡筒
f10(9.4):VMC110L鏡筒 
ビクセンカタログは、ここ。
NST アダプター 43DX の説明書は、ここ。